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【コラム】カウンセリングと認知行動療法

2021/08/23 更新

近年、心療内科や精神科では薬物療法のみならず対話による支援を希望する方も増えきています。対話による支援の1つに心理的支援があります。心理的支援にはカウンセリング、心理療法、認知行動療法など様々な呼び方があります。それらの呼び方を通して心理的支援についてご説明します。

まず、最もよく耳にするのはカウンセリングだと思います。美容カウンセリング、ダイエットカウンセリングなど、心療内科以外にも「カウンセリング」という名称を使用していることがよくあります。カウンセリングのキーワードは「傾聴」「共感」「受容」などでありロジャーズの考えがベースになっています。そのため話はよく聞いてくれるけど助言はくれないという場合はカウンセリングを受けていることになります。

一方で心理療法とは特定の理論に基づいたアセスメントと介入を行います。一般的に病院で働く心理士のことをCP(Clinical Psychologist)と呼びます。そしてCPと呼ばれる人の仕事は心理療法の提供になります。心理療法には精神分析、家族療法、対人関係療法、認知行動療法などがあります。心理療法は特定の心理流派ごとに背景となる理論が異なります。なお近年ではEBM(科学的根拠に基づいた医療)が重視されるようになっており、認知行動療法が注目されるのはそのためといえます。

カウンセリングは学校の先生など非専門家にも広く活用されています。一方で心理療法の提供にはスーパービジョンを受けるなど専門家としての訓練を受ける必要があります。しかし、残念ながら日本では臨床心理士も公認心理師も心理療法を習得するための訓練は受けていません。そのため日本で心理療法を受けられる機関は少数です。

参考文献
下山晴彦(2008).臨床心理アセスメント入門.金剛出版

臨床心理士/公認心理師 岡田眞ノ典

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