2021年11月5日~7日(オンデマンド配信は14日まで)の期間、精神分析学会第67回大会が開かれました。昨年度はコロナの為、中止となり、今年度は現地とオンラインのハイブリッドで開催される予定でした。しかし、やはりコロナの為、現地開催は中止となり、オンラインのみとなりました。
オンラインではプログラムが限られることになり、ワーキングループや委員会が中心となったシンポジウムがライブ配信されました。また、今回は特別企画としてオンデマンドで、偉大な先輩方へのインタビューが配信されました。
オンデマンドで配信された先輩セラピストの先生方へのインタビューでは、最も影響を受けた海外の精神分析家というテーマで1時間から2時間近くお話を伺っているものが8本アップロードされていました。臨床心理の分野からは馬場禮子先生のインタビューがありました。馬場先生は今年88歳となりますが、まだまだお元気です。臨床心理学という言葉が物珍しい時代、海外に留学せず、いかにしてロールシャッハ(Rorschach)を学び、その礎を築いてきたかが生き生きと語られ、馬場先生の知りたいという熱意とそこに費やした労力はとてもマネできないと感じるほどでしたが、同時に少しでも近づきたいとも感じました。マスターセラピストの先生方がいかに学んできたかを伺うことができるこのインタビューはどれも大変示唆に富んだものであり、学びの意欲を高めるものでした。
画面を通しての参加でしたが、エキサイティングな体験の連続であり、私にとっては学びが多く、実りある大会となりました。また、拝聴しながら、普段の自分の姿勢を振り返り、襟を正す思いでした。研鑽として、また自己を振り返る機会として、学会参加の大切さを改めて感じました。CBT全盛の時代ですが、こころへのアプローチの仕方には多様性があってもいいと思います。この体験を明日からの臨床に生かしていきたいと感じています。
臨床心理士 島田
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