水戸メンタルクリニック

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第7回日本うつ病リワーク協会年次大会愛知大会に参加しました

2024/04/20 更新

●今大会について
リワークの治療レベルをさらに高め、医療リワークが積極的に企業・患者から選ばれるようにしていくことを目指していますが、それぞれの企業の望んでいる内容・目的はどんなものなのか、何が医療リワークに求められているかを明らかにすべき時期になっているのではと考えられます。加えて、日本の各地域の医療リワークへの必要性の違いはあるのかを確認するため、今大会のテーマは「企業から求められるリワークの在り方」となりました。
 
●各プログラムについて
『各リワークのプログラム紹介(プログラム実施までのプロセスと工夫)』
・自施設のなかでそのプログラムがどのような位置づけになるのか、他のプログラムとどのような関連性があるのか、どのように関連性を持たせるかを意識する
・施設がニーズや動向をキャッチし、変化していくことが必要
・復職後を想定した自己分析を行っていく
・復職後に起きることを想定し、そのギャップ(足りない部分や隙間)を埋めるプログラムが必要

『双極性障害患者の就労支援』
・個人の変化に関する情報を、高い質で共有する重要性
 治療により生じた変化を関係者が共有することは、患者が混乱することを防ぎ、再発予防にも関連する。
・なぜ休職に至ったのか、どうすれば復職できるのか、そのために自分や職場がどう変わるのかを、主治医・患者・職場、そしてリワークで同じ時間軸の中で共有することが重要

『リワークにおけるADHD~薬物療法と心理社会的治療』
・薬物療法は刺激を与えバランスを変えるため、ある種のショック療法といえる
・心理社会的サポートは、母性型(すべて受け入れる)、秘書型(ある程度受け入れる)、スマホ型(自分でやっていく)がある。
・治療は治しきることではない。その環境において暮らしていくために治療していく

『リワークプログラム』
・プログラムの内容によっても、見えてくる利用者の特性が変化する。プログラム参加時の様子と見立てについてスタッフ間で情報共有し、利用者へフィードバックしていく
・対策を考える際には、実際に仕事で使えそうな対策を検討できるよう促す

『役割(スタッフの役割・リワークの役割)』
・それぞれ専門性はありつつも、いろんな視点から+お互いの分野にも入り込みながら実施していけるといいのでは
・まだ、企業にリワークが周知されているとは言えない。
・企業規模や職場環境・関係者の立場や姿勢を理解しておくこと、役割を明確にしておくことが必要

『最新エビデンスを基盤とした復職支援の実際』
・精神疾患への偏見へ留意(内にも外にも)
・復職支援に関する3原則 ①職場上司は医師ではない ②測定できる目標・タイムラインを事前に提示する ③回復していない症状・障害を相互理解
・メンタルサポート心得3箇条 ①心技体バランスよく支援(特にこころの機能が重要) ②安全管理のために ③働く喜びをスタッフ自身が体現する
 
『うつ病における認知機能障害と対応』
・うつ症状改善後も、認知機能低下が残ることはある
・抑うつ症状の早期改善は、残遺認知機能障害の軽減につながる
・うつ病患者:自殺企図と認知機能に関連あり
 
『うつ病リワークを単なる機能回復訓練にしないために 患者の人間性の回復に向けて』
・感情・経験の話をしてもらうことは治療をする上で大事
 
『医療リワークとは何か?』
・医療リワークは職場復帰だけでなく再発予防が重要なテーマ
・医療リワークのメリットは診断と治療。診断の精度を高めることができ、リワークという負荷のなかでの症状の悪化に治療的に適切に対応できる
・医療リワークは治療そのもの(大規模で長期にわたる集団精神療法、思春期青年期のやり直し)
・リワーク診断の重要性:リワーク後、双極の診断が増えた。軽症の発達障害は医療リワークで見つかる。

『復職評価・判断・効果』
プログラムの実施と、評価尺度による効果の分析について。

水戸メンタルクリニック デイセラピー部 精神保健福祉士 谷津綾乃

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